太陽の母の祈り
25年3月24日
 
「まくとぅそーけー なんくるないさ」
私の確信 「誠を貫けば、必ず道は開けるさ」


石川昌子さん㊥が語る姿は、舞を舞うように、皆を包み込むように

師匠に誓った共戦の舞
 【沖縄県浦添市】大地に降り注ぐ太陽のような笑顔。声には慈愛の響きあり。石川昌子さん(79)=支部副女性部長=が身ぶり手ぶりを交えて語りまくる。孫たちに繰り返す言葉は「お題目はすごいよ」という信心の確信。ひときわ力が込められたのは、話が師匠のことに及んだ時。「池田先生だったらどうするだろう。先生だったら何て言うだろう。ばあちゃんは、そればかり考えながら生きてきたさー」

「苦労した分、幸せが感じられますね」

本人・昌子さん(79) 支部副女性部長
 おじいちゃん(夫)と結婚したのが苦労の始まり。貧乏のどん底、借金取りは来るわ、信心に猛反対だわ。「ワン(俺)と信心、どっちが大事なんか」って言うから、「御本尊様が大事。御本尊様が大事だから、あなたが大事なんです」と言いました。おじいちゃんはポカンとしてたけど。
 懸命に働いて働いて、帰ってきたら、まだ小さかった子どもたちの手を引いて、会合に参加しました。負けられなかった。「蝶よ花よ」と育てられて、父の反対を押し切って結婚したから。祈って祈り抜いて、少しずつ生活が良くなっていった。
 「雨の文化祭」と伝えられる昭和58年(1983年)3月の沖縄平和文化祭が私の原点。演技の途中で土砂降りになって、ようやく雨がやんだ頃、「かりゆしの舞」を舞ったんです。池田先生の“よく頑張ってきたね”という温かなまなざしを感じました。それ以来、心は常に先生と一緒。学会活動に地域友好にと、それはそれは一生懸命やったよ。
 やっぱり日頃からの付き合いが大事ね。私、カラオケ大好きだから、歌仲間もたくさんいるでしょ。歌を歌えば、心と心が通じ合う。
 「現に勝れたるを勝れたりということは、慢ににて大功徳となりけるか」(新207・全289)
 誠を貫け。一念を貫け。正義を貫け。そうすれば、必ず、道が開けるさ。

昌子さんのチャリティーショー

夫・清義さん(84) 副支部長
 はいさい(沖縄の方言で「こんにちは」)! 80代半ばの今もラジオパーソナリティーを務めています。
 リクエストもたくさん来ます。八代亜紀、冠二郎、島倉千代子、天童よしみ、山本譲二。演歌が多いねえ。20年以上、毎週マイクの前に座れるなんて夢みたいさ。
 いとこにおんぶされて、沖縄戦を生き延びた。その後も親の愛を知らず、独りだった。父は結核で入院。母は私が7歳の時、病気で他界。着の身着のままで、その日暮らしでした。あぜ道をぽつんと歩きながら思った。「犬小屋みたいな家でいい。一人で生きていきたい」。中学校しか出ていないから、商売をするしかない。
 浦添で一番の歓楽街だった屋富祖通りの一角で、電器店をやっていた時でした。初めて妻と出会いました。私の一目ぼれでしたねえ。結婚してから、信心にはずいぶん反対しました。ある時、どうしても30ドル足りない。不渡りを出す寸前。この時ばかりは真剣に祈ったさ。後ろで題目を唱えるばあちゃん(昌子さん)の声が震えてた。
 おじー、おばーになってから本当の愛情が出てくるもんなんですね。この夫婦の絆は、若い時には想像もできなかったなあ。本当に苦労をかけてきた。今、妻の尻に敷かれながら頑張っていますよ。

毎週ラジオの生放送を務める清義さん

長女・新垣江利香さん(51) 支部女性部長
 家の電器店経営と学会活動で、忙しく働く両親の背中を見てきました。
 とりわけ母は、命の底から信心一筋。こんなに頑張るのか、というくらい頑張る人(笑)。池田先生のことを心から慕って、「先生にお応えしたいさ」が口癖です。母の姿から池田先生の偉大さ、師匠をもつ人生を学んできました。
 父からは上地流の空手を受け継ぎ、今、本部町で道場の館長を務めています。
 御本尊を抱き締めて、信心を貫いてきた両親には、感謝の思いでいっぱいです。

子や孫に囲まれて、幸せあふれる石川さん夫妻(中央の2人)

孫・太雅さん(27) 男子部員
 高校、大学時代は、学校に近いおばあちゃんの家で下宿生活。ずっと自分のために動いてくれたおばあちゃんに感謝です。
 今、京都で暮らしています。沖縄を離れて一層、「ありがとう」の気持ちが強くなりました。夢だったイラストレーターとして独立。遠くから憧れていた仕事も、その場に立つと、その先にまだ長い道のりがあることを知りました。
 「祈りはかなうよ」。ばあちゃんが教えてくれた信心を根本に、実証を示していきます。

孫の太雅さんと

孫・梓江梨さん(25) 県池田華陽会サブキャップ
 高校からおばあちゃんの家に下宿しました。
おばあちゃんはいつも、「困ったことがあったら言ってよ。何でもやってあげるからね」と。
 今、保育士として、毎日笑顔を届けています。園長先生から、「あなたはいつもニコニコしていて、それでいて芯があって粘り強いね」って。それも、おばあちゃんのおかげかな。
孫・太志さん(23) ニュー・リーダー
 兄や姉に続いて、自分も下宿したかったけど。おばあちゃんから、「あなたがウチに来るのは、うれしい。けれど、もっとうれしいのは、あなたが池田先生のつくられた学校に行くこと」って。
 渋々、関西創価高校の見学会に参加。正門をくぐった瞬間、「ここ来たい」って。おばあちゃん、「えー!」って目を丸くして喜んでいたよね。関西創価高校と創価大学で過ごした時間は、自分を成長させてくれました。
 今は、県立高校に併設された「チャレンジ塾」で生徒の受験、進路相談、学習サポートを担う教育スタッフを務めています。いつも、ばあちゃんが一緒に戦ってくれました。同じように、僕も後輩に寄り添っていきたい。
孫・太琉さん(14) 中学2年
 お母さんは最強だけど、おばあちゃんは、もっと最強(笑)。道端で、友達と話していると思ったら、初対面の人だって聞いてびっくり(笑)。僕も人に優しくすることと、いざという時に勇気を出すことを学んでいます。任用試験にも合格しました!
もう一度、昌子さん
 ばあちゃん、今とっても幸せさ。あなたたちが信心を受け継いでくれてうれしい。何が起きても大丈夫よ。「まくとぅそーけー。なんくるないさ」。信の一念を定めて祈る。誠を貫けば、道は開けるさー。