第7回 創価教育の大城 24年6月12日 |
![]() 創価学園の第1回入学式の折、「青年と鷲」の像の前で、池田先生が生徒たちと。先生は、「英知を磨き、たくましい信念をもって、理想に向かって飛翔し、日本の、いな、世界の平和のために、尽くしていただきたい」と願った(1968年4月8日、東京・小平市で) 世界の平和に寄与する人材を 60年前の1964年(昭和39年)6月30日、東京・台東体育館で開催された第7回学生部総会。席上、池田先生は創価大学の設立構想を発表した。 60年代の日本社会は、大学紛争が起こるなど、大学教育の意義が問われていた。その中で、先生は「世界の平和に寄与する大人材を、大指導者をつくり上げていきたい」と宣言した。 創価教育の源流は、牧口先生が1930年(同5年)11月18日に発刊した『創価教育学体系』にある。奥付には発行日の横に、印刷日が「11月15日」と記されている。編集・出版に奔走したのが、戸田先生だった。 軍国主義の当時、国家の役に立つ人間をつくることが教育の至上目的だった。牧口先生は、教育は「子どもの幸福」のためにあると訴えた。 同書には「教育技師(=教員)の養成を目的とする高等の師範学校」「創価教育学の実験証明をなす目的の附属小学校」と、具体的に創価教育機関の設立に言及する記述もある。 牧口先生は「戸田君が必ず創価大学をつくってくれる」と口にした。戸田先生は50年(同25年)11月16日、自身の事業が苦境に立たされていた中で、未来を見据え、池田先生に語った。 「大作、創価大学をつくろうな。私の健在なうちにできればいいが、だめかもしれない。そのときは大作、頼むよ。世界第一の大学にしようではないか」 この日、池田先生は日記に記した。「昼、戸田先生と、日大の食堂にゆく。民族論、学会の将来、経済界の動向、大学設立のこと等の、指導を戴く。思い出の、一頁となる」 池田先生は第3代会長就任後の60年(同35年)10月、初めての海外平和旅の折、アメリカ・ロサンゼルスのUCLA(カリフォルニア大学ロサンゼルス校)を視察。同行の友に「学会も、大学をつくるよ」と語っている。 着々と準備が進められた創価大学の開学は当初、73年(同48年)を予定していた。しかし、大学を取り巻く状況、さらに68年(同43年)に開校した創価高校の1期生が進学できるように、71年(同46年)に開学が早まった。 71年は、牧口先生の生誕100周年の節目。さらに、同大学が開学した4月2日は、戸田先生の祥月命日である。 ![]() 2004年1月22日、創価大学創立者の池田先生が同大学中央図書館を訪れ、勉学と読書に励む学生たちを激励。「ご苦労さま。体を大切に。試験、頑張ってね」と。さらに、「図書館は大学の心臓部」と語り、学生第一の精神で一層の充実をと望んだ 真心に支えられた「民衆立」の学校 第3代会長に就任する1カ月前の60年4月5日、池田先生は東京・小平市を香峯子夫人と共に訪れた。創価学園の建設候補地を視察し、敷地購入を決めた。 雑木林の敷地は、美しく保たれた。地元の学会員が自主的に清掃を続けたからである。66年(同41年)11月18日、創価学園の起工式が行われた。この日を迎えるまで、清掃は100回を超えた。 こうした活動のほかに、創価教育に賛同する多くの人から、寄付の申し出もあった。学園は、民衆の真心による「民衆立」の学校だ。先生は述べている。 「学園の建設は、民衆の真心に支えられてきたという、この偉大な事実を、生徒にも、教師にも、永遠に伝え抜いていかなくてはならない」 68年(同43年)、創価中学・高校が開校。「創価一貫教育」の第一歩が踏み出された。 先生は折に触れ、学園生と交流する機会を持った。第1回の入学式から2カ月余が過ぎた6月14日、テニスコート開きに出席。30日にもプール開きのために、学園を訪れた。 9月6日には栄光寮に足を運び、寮生と懇談。その後、グラウンド開きに臨んだ。この日、先生は発熱していた。だが、学園生のことを思い、体調不良を押して、学園を訪問したのである。 先生は全身全霊で、学園生に励ましを送り続けた。成績不振や退学することになった生徒も見守り続けた。心にはいつも、愛する学園生がいた。 ゴルバチョフ元ソ連大統領、欧州統合の父クーデンホーフ=カレルギー伯爵など、東西の学園にはこれまで、5000人を超す海外の識者が訪れている。学園創立の折、先生は“学園生の先頭に立って、世界の知性と対話しよう!”と誓った。そこには“私の後に必ず続いてくれる”との学園生に寄せる全幅の信頼がある。 78年(同53年)、東京創価小学校が開校。小学校から大学まで、創価一貫教育の大城が完成した。先師、恩師の悲願を、池田先生が実現したのである。 2001年(平成13年)、アメリカ創価大学(SUA)が開学。札幌、香港、シンガポール、マレーシア、韓国に幼稚園、ブラジルでは高校まで創価教育の一貫校が設立されている。今年2月には、日本の中高一貫校に相当する創価インターナショナルスクール・マレーシアの開校式が行われた。 池田先生は、自身が創立した学びやに志願した友への深き感謝を述べている。 「学園や創大を志願してくれた若き友、また受験を勧め、励ましてくれた方々のことが、私と妻の心から離れることはない。 “皆、学園生、創大生”との思いで、大成長を願い、ご一家の繁栄勝利を祈り続けてきた。これが、私ども夫婦の偽らざる心である」 |